夜行列車と言う物。

夜行列車に乗っていると旅情を感じる。旅先に赴くと普段とは違う空気に出会える。そこではそこに暮らす人々が普段通りの生活を送っている。その中に居ると唯一人置いてけぼりを喰らったような錯覚さえ覚える。夜行列車はそんな旅先と日常を繋ぐ掛け橋である。
旅は夜行列車から始まる。深夜の人気が無くなった駅のホームから夜行列車に乗り込む。そこには行き先を共にする人々が居る。早朝からの仕事の為、観光の為……、中には夜行列車に乗りたかったから……、と言う人もいるだろう。
最初は騒いでいたグループ客も夜も更けると皆静かに眠りにつく。足元が窮屈なのかしきりに足を動かす人。読書に耽る人。音楽を聴く人。まるで時が止まっているような空間の中、様々な人々を乗せて列車は進む。
目的地に着くとその時も急に慌しくなる。列車を出ると私にとっての非日常、そこに住む人々にとっての日常が広がる。


さて、青春18きっぷ何かで遠出する時に欠かせないのがこの夜行列車である。定期列車では「ムーンライトながら」と「ムーンライトえちご」の2つが有名である。18切符の季節になると「ムーンライト山陽」だとか「ムーンライト八重垣」だとかのムーンライトシリーズが運行される。このムーンライトシリーズの特長は夜行快速列車と言う事である。快速列車(つまり普通列車)なので18切符で乗れる。結果、必然的に貧乏旅行だとこのムーンライトシリーズの夜行列車を活用する事になるのである。
18切符だと特急・急行・寝台・グリーン等には乗れない。これらの列車に乗る場合、それぞれの料金と乗車駅から降車駅までの運賃を支払わなければならない。しかし、ムーンライトシリーズ以上に豊富な夜行列車が存在している。それらの夜行列車には大概にして寝台車輌がある。窮屈な座席で一晩を過ごす事を考えれば、狭くても足が伸ばせる寝台は良いものである。また「寝台特急サンライズ出雲」等の通称サンライズエクスプレスは全車寝台個室だったりする。勿論、運賃の他に特急料金・寝台料金(個室)を取られるので、新幹線の方が安くつく。深夜出発で早朝到着と言うのは人によっては相当なメリットであるが。


それらとは毛色の違った列車でいわゆる豪華列車と言う物がある。「カシオペア」や「トワイライトエクスプレス」である。詳しい事はリンクを見ていただきたい。
人生で一度はのって見たいものであるが、私なんぞが大枚叩いてのったところで分不相応である。貧乏人は貧乏人らしく旅に思いを馳せながら家でごろごろするとしよう。