婆さんと携帯電話。

私の祖母が携帯電話を買った。auだかの最新機種である。
何故、今になって携帯電話なのか。と言うのも、我家にはホームテレフォン――つまり内線電話――が設置されている。設置と言ってもどこかのお下がりを親父が貰い受け、強引に外の壁伝いやらなんやらに配線した物である。
年末の雪が積もった時、屋根から滑り落ちる雪がその配線に引っ掛かった。配線は固定していなかったので電話機もろとも引っ張られた。悪戦苦闘の末、どうにか引っ掛かった雪から外した。


しかしそれ以来、電話が通じたり通じなかったりする。私の祖母は年金生活で趣味と言えば友人共とのお喋り。普段から祖母は電話を良く使っていた。
こうして電話の不調に耐えかねた祖母は携帯電話を購入することと成ったのである。


さて、祖母はラジカセの操作もおぼつかないほどの機械音痴。そんな祖母に携帯電話の使い方をレクチャーした。
その結果分かったことは老人向けメニューに変えたところで、それは老人向けではないと言うこと。私には、カーソルの概念からして理解させる事ができなかった。他にもオンフックとオフフックがどっちのボタンか分からなかったり。(受話器だけで黒電話部分の無いマークだった。)
とりあえず発信と着信は理解できたようなので良しとしておこう。