「旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。 *2」読了。

名前が消え、色が消え、最後には存在そのものが消える「喪失症」。喪失症が蔓延し滅びゆく世界で、スーパーカブに乗って旅をする『少年』と『少女』の物語――。
人々はこの絶望的な世界でいかようにして日々を過ごすのか。自給自足で悠悠自適な生活をする人、夢破れ酒に入り浸る人、こんな世界でも日々を懸命生きる人……。旅の途中で出会う人々と『少年』『少女』のコンビが紡ぎ出すハートフルストーリー。って感じかな。
とにかく、これは凄い良い。面白い。これは是非シリーズ化して続きが読みたいものだ。そう思う一方で、シリーズ化しても蛇足にしかならないのではないか、とも思う。はてさて?
この物語は『少年』『少女』コンビの話なのだが、このコンビが素晴らしく魅力的なのだ。とまぁ色々書いたけど、ぶっちゃけ「キノの旅」みたいなもんだ。けど、キノとは違った魅力がこの作品にはあると思う。読んだ後は、表紙の抜けるような青空みたいな、そんな清々しい気分になれること間違いなし。